
代表挨拶
時代は変わりました。エゾシカやヒグマをはじめとする多くの中型・大型野生動物は、ある意味、保護の成果でその個体数を回復しました。地方では高齢化や過疎化に伴って人間の撤退が進み、逆に勢いを増した野生動物がかつての陣地(分布域)を取り戻しつつあります。さらには札幌市や旭川市のように人口が集中する都市においても、周辺部の山林で増加したエゾシカやヒグマが河畔林や防風林などを経路として市街地内に侵入する事例が増加しています。時代は変わったのです。高度成長期~バブル経済期前後の1970~1990年代に多くの方が抱いていたような、「人間によって追いつめられた可哀想な野生動物たちが、荒廃した奥山には餌が無いから市街地に出てくる」というような単純なイメージは、もはや過去の幻想になりつつあります。
そもそも野生動物と人間は、同じ狭い空間内で「同時的・同所的に」共存することはできません。エゾシカのように比較的おとなしい種であっても体が大きいため、交通量の多い市街地で車やバイクと衝突すれば重大な交通事故の原因となりえます。また彼らが市街地内に持ち込むマダニ類は、ライム病やダニ媒介脳炎(TBE)などの人獣共通感染症を拡散させる恐れがあります。秋の交尾期のオスジカは気性が荒くなるため、うかつに接近すると危険です。ヒグマが持つ殺傷能力の潜在的な高さと、パニック状態に陥った時の危険性については、2021年6月の札幌市東区における連続人身事故の事例を持ち出して説明するまでもないでしょう。つまり野生動物と人間は、空間的に一定の距離を保った上で共存すべきものなのです。人間優先ゾーンの市街地やその周辺で共存すべきものではありません。
しかし今その距離はゼロに近づき、危機的な状況となっています。今は早急に何らかのアクションを起こし、野生動物を市街地周辺から山の方へ押し返す努力が必要な時代です。単に様子を静観したり、調査だけ実施してごまかしていたのでは、事態は深刻化する一方で問題は解決しません。
当クリニックは野生動物による様々な被害を「病気」に見立て、様々な「予防法(研修・未然防除)」や「治療法(特定個体~集団の捕殺を含む各種対策手法)」を提供します。私たちの活動によって、道内各地において野生動物と人間の双方に適切な距離感(警戒心)が再度醸成され、空間的な棲み分けの実現、すなわち「真の共存」に近づくことができましたら幸いです。
野生動物被害対策クリニック北海道
代表 石名坂 豪
事業所概要
事業所名称 | 野生動物被害対策クリニック北海道 |
英文名称 | Hokkaido Human-Wildlife Conflict Consultancy and Veterinary Clinic(略称:HWCC) |
代表 | 石名坂 豪 |
従業員数 | 1名 (2023年11月) |
所在地 | 北海道札幌市西区西野 現地出張対応(往診)専門 (2023年8月~ 活動開始) |
TEL | 090-1551-8276 |
FAX | なし E-mail: ishina@h-wild-ccvc.jp |
事業内容 | 野生動物(ヒグマ・エゾシカなど)に関する
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アクセス
- 所在地:
北海道札幌市西区西野~
(往診専門: 来客用駐車場はありません) - 電車・バスでお越しの場合 :
札幌市営地下鉄東西線 発寒南駅 下車
ジェイ・アール北海道バス 利用 - 営業時間:
原則、月~土 9:00~18:00 / 日曜定休
(時間外や定休日も電話は受け付けます)